7/08/2009

この世で一番美しいものは、

人の心のなかにある。そう、現代アートの作家である内藤礼さんは言う。

その言葉に脳科学者の茂木先生は、こう付け加えている。

「心の美しき人は、自分自身と折り合いがついている。どんな外見でも、境遇でも、そのような自分を受け入れ、欠点を含めて温かく見つめることができる人は、心が美しい。一方、自分がどうしても好きになれない、という人も、心の動的なバランスを回復する道はある。自分に欠けているものをめぐって、同じところぐるぐる回ってはいけない。そうすると、無限の暗闇に落ちてバランスを果てしなく崩していく。自分に欠けているものを補ってくれるものが、この広い世界の中に必ずある。そう信じて、動けばいい。一歩を踏み出せば良い。自分というジグソーパズルに欠けている「ピース」を探して世界を旅する人の姿は美しい。その人生の先には、偶然に出会う幸運が待っている。

心が美しいということを、顔の形の美しさのような、完成されたものとして考えるのではなく、常に動いているもの、未完成なもの、そして、私たちが生きる限り続いていくものと考えること。心の美しさを、ダイナミクスの中にとらえること。そのような気付きがあるだけで、生きることが楽になる人が、沢山いるのではないかと思う。未完成でもいいのです。不完全でもいいのです。現状が嫌でもいいのです。大いに動いてください。揺れてください。ただ、バランスだけは崩さないでください。

あの日、画廊の中で作品に囲まれながら「この世で一番美しいものは、人の心の中にある。」といった内藤礼さんは、一つの生命の事実を語っていたのではないかと思う。」

自分自身と折り合いをつけて、バランスを保ち生きていきたい。そう、ふたりの言葉を何度も読み返し、自分の生きてきた過程と照らし合わせ、そして現状を確認し、強くそう思ったのである。本当の意味で大人になるということはこういうことなのかもしれない。

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