6/19/2009

食堂かつむり。

食堂かたつむり


144ページより
「人は、いつも澄んだ気持ちなんかではいられない、と思う。みんな、濁り具合の程度こそあれ、心の中を満たしているのは泥水だ。どこかの国のお姫様だって、本当に憶測だけれど人には言えない汚い言葉が頭を過ぎる瞬間があるだろうし、牢獄で一生を過ごす死刑囚にだって、顕微鏡で何倍にも拡大しなきゃわからなくても、光に当たればキラッと輝く、宝石の欠片は存在すると思う。だから私はその泥水をきれいにするためになるべく静かにしていようと決めた。水の中で魚が動き周れば濁った泥水になってしまうけど、心穏やかにしていれば、やがて泥は下に沈み、上のほうはきれいな水になる。私はきれいな水でいたかった。」

 
上野の喫茶店「丘」でmachiさんを待つ。その時間はとても長く悲しく寂しく感じたようにも思うが、丘の何ともいえない雰囲気と作りたての生ぬるいバナナジュースが私の気分を高めてくれる。入り口の鈴が鳴る。ふっと横目でみるとmachiさんがそこにいた。最後にあってからまだ一ヶ月くらいしか経っていないのに、とても久しぶりな気がする。彼女とのそういう距離感が大好きである。

そして、久々に泣いた。彼女がそっと差し出してくれるハンカチを見ながら涙は零れ落ちていく。彼女という存在そのものが、いつでも私を何かから解放してくれる。

大好きな彼女から一冊の本を薦められた。彼女も大好きな人から薦められてこれから読むという。終わったら貸してあげるねと言われた。けれども、なんだかどうしても読みたくなり、否読まなくてはいけないような気がして、本屋さんで購入したのである。

お気に入りのソファで読み始めたら止まらなくなり、結局2時間かけて読み終えた。大粒の涙とともに。なんだろうか・・・この感覚。彼女の言葉は、ばななや春樹とはまた違う言霊が存在するのだ。ばななが恋の先生、春樹が人生の先生であるならば、彼女は友人である。それ位近い感じがしたのである。

最後の、母から娘への手紙の内容に心が熱くなった。やっぱり、生きるということは大変であるからこそ頑張らなくてはいけないくて、そのためにはもっと自分に自信を吹き込まなくてはいけないのだと。いいことよりも悪いことのほうが勝るこの世界で生きていくことはとても魅力的であると、その事実を忘れてはいけなかった。目の前にあるもので全てをはかるのではなくもっと広げていかなくてはいけないのである。そう、彼女のように、彼女の母のように、私も行きたいと思ったら地球の反対側に突然行けるエネルギーを持ち合わせているのだ。だから大丈夫。

この本は素敵すぎました。涙を流してすっきりして、今は「角」をロックで飲みながら、そろそろ眠りにつこうと考えています。machiさん紹介、有難う。

228ページ
「本来なら、物事が全て解決したかのようにみえるはずなのに、後悔は、小骨のように私の喉の奥にひっかかったまま、落ちていこうとしなかった。」

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