5/14/2009

たんぽぽ の追伸。

当たり前だけれど、綿毛のようにあの人からあの人のもとに行くことなどできなかった。だから、あの人のもとから小さな命は次の人のもとに飛んでいった。次の人が誰かは、彼女にも勿論私にもわからない。彼女を待っている間、その空間にいることは私にはとても耐えられる種類の悲しみではなく、どうしたらいいのかわからなくなりとりあえず、息のできるところに飛び出した。

飛び出した私をどこが受け入れてくれるのか、果たしてどこが落ち着くのかわからなかった。ふっと、献血をしようと思いたった。多分、どこかで目の見える存在価値を欲していたのだろう。そう、私は目で見たかったのだ。

見慣れたはずの血も針も、どこか違う気がして、直前になって果たしてここでよかったのかわからなくなったけれど、もうそれはどうでもよかった。

彼女から「終わったみたい。」との電話が入った。また、あのなんとも言えない空間に向かった。一刻も早く彼女をあの場から連れ出そうと足早になる。あの空気はどこよりも淀んでいる。

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