4/19/2009

名曲喫茶




いつも定期は機械ではなく窓口で購入している。大きな意味はないけれど、なんとなく窓口で購入している。1年間も同じ定期を持っていたのに、今日まで知らなかった事。ふたつ先の駅まで同じ値段で定期を購入できたこと。西荻窪に行くことも吉祥寺に行くことも今はほぼない。それでも、その事実を知ってしまった今、なんだかとってもくやしいのはなぜだろうか。宝くじの当選番号の数字がひとつだけ違う・・・と嘆く人はこんな気持ちだろうか。なんだか私ちっちゃいなぁ。


久々に阿佐ヶ谷の地に降り立った。以前は友人がこの近辺に散在していたのでよく来ていており、阿佐ヶ谷と高円寺の名曲喫茶にはよく足を運んでいたように思う。あの当時のままの名曲喫茶でsozoroの演奏会があるのを、偶然ある喫茶店に置いてあるちらしで知った。・・・ということで行くことにしたのである。


ものすごく久々にSPの音を聴いた。そのなんともいえない音に酔いしれる。SPでシャンソンやブルースを聴くことができたら、その時間は至福の時になるに違いない。そんなことをふっと思いながら、SPの音とsozoroの演奏に耳を傾ける。なぜだか、音を聴きながらいろいろな感情や映像が頭をめぐる。私は音を聴きながら、ひとつの物語を完成させた。その妄想じみた物語は私の中に何かを吹き込んでいく。この温かい、のんびりとした時間は旅に似ている。


SPは針をひとつの演奏ごとに変えるとのこと。マスターはその針を探し世界中を旅して大人買いをしてくるのだとか。なるほど、喫茶店を流れる空気がどこか旅を彷彿させるのはそんなところにもあるのかもしれない。




私の偏見かもしれないけれど、旅行ではなく旅が好きな人はcafeではなく喫茶店が好きでありコーヒーではなく珈琲が好きな気がする。  帰り際に「今度はケニアに行くんだって。」という言葉が聞こえてきた。あぁ、やっぱりどこか同じ匂いを持つ人は集まるのかもしれない。そんな気がした。

0 件のコメント: