4/02/2009

バスタオルとはさみ。

与論島にて。

久々の青空であり、空があまりにも明るいので見上げてみた。青空に飛行機のシルエットが見える。あの飛行機はどこに行くのだろうか。どんな人がどんな気持ちで乗っているのだろうか。そんなことを妄想してにやりとする。久々の青空は私を扉の向こうに誘ってくれるのである。

3月生まれの私と4月生まれの彼女。私が彼女の先輩でいる期間はたった1ヶ月である。もうすぐ、私と彼女は同級生。  ふたりで新宿のヒルトンでランチをした。小学生になるかならないかの男の子がお皿を落としてしまった。ものすごい音がした「ガチャーン」・・・・と。 その場でランチをしていた誰もが振り返ってしまった。その男の子はお皿を割ってしまった事実とその音と、皆の注目を浴びてしまったことにしばし呆然とし、その後泣き出してしまった。とても怖かったのだろう。とにかく嗚咽している彼。そこにホテルマンたちがさりげなく登場した。  最後にきたホテルマンが旬のいちごを使ったフレッシュジュースを持ってやってきた。グラスのふちにはイチゴがめいっぱいのっていた。それを見た男の子は恐るおそる目を開け泣くのを止めた。 そして笑顔でジュースを飲んでいた。  4月はじめのほのぼのした光景に、体の中に温かいものが走った。

友人とカウンターでお酒を飲んでいると、隣に座っていたふたり組の男の人が、「タバコを吸っても大丈夫ですか?」と尋ねてきた。タバコの匂いは嫌いではない。けれども、そんなことよりもわざわざ、お酒の席で見知らぬ人にそう言われたことがなんだかとても素敵な出来事として心に残っている。マッチでタバコに火をつける仕草が好きである。そういえば、隣の方たちは、マッチで火をつけていたなぁ。

友人が崩壊してしまいそうである。原因は恋愛。恋する女性は素敵であるし可愛いと思う。でもその素敵なはずの恋愛で私が一番聞きたくない言葉。聞くと辛くなる言葉。それは・・・・。彼女は泣きじゃくりながらこう言う。「なんで彼に出会ったのだろう。なんであの人と結婚したのだろう。彼に逢わなければ、あの人と上手くいっていたのに。」


過去を否定してしまったら、今の自分を否定してしまうことになる。過去がなければ、今はない。どうしてそんなに急いでしまうのだろうか。全ての結論はすぐにはでない。そんな事実も恋愛を目の前にすると霞んで見えなくなるのだろう。未来を今すぐに決めることに意味はあるのだろうか。きっとないのだろう。でも、人間は不安定な場所に留まる事ができない生き物である。それが生きるエネルギーに上手に変換される場合もある。でも、そう上手くいかないのがこの世の常。

そんなに急がなくとも、いつか未来は今になり過去になる。 

彼女は泣きじゃくりながら、「だって彼が好きなんだもん。」と繰り返す。そして、「こんなに辛いなら出会わなければよかった。」と繰り返す。

泣きじゃくりながら、雨の中傘もささずに、あの人ではなく彼のもとに向かった彼女の後ろ姿を見ながら生きる辛さをひしひしと感じる。私にはどうすることもできない。もうひとりの友人のように、「そんなに辛いならやめちゃいな。」ともいえない。私もどうすることが一番かわからないから・・・。彼女は自分でその沼から這い上がるしかない。だから、私は吸収力の高いバスタオルで彼女を包んでひたすら話を聞こうと思う。それが精一杯の彼女に対する愛情である。

心の風邪をひいた人達の調子も悪い。友人達も調子が悪い。喫茶店の常連さんも調子が悪い。こういう連鎖をスパッと断ち切るはさみを用意しなくてはなぁ。

ちょっと待っててね。どこからか調達してくるから・・・。

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